タイトルはマリメッコで活躍されていた日本人デザイナー、石本藤雄さんのお言葉。
プリントデザインで作りたいものは「続くもの」だと。
デザインそのものもだけど、歴史が語る強さもあって…しびれます。
北欧ブランドの火付け役といっても過言ではない、
日本ではすっかりおなじみのマリメッコ。
大胆なモチーフに鮮やかな色。
気持ちが晴れるようなデザインが特徴的です。
暗くて寒い北欧で暮らしを明るくするデザイン。
マリメッコのお店に一歩入れば、華やかさで心が踊ります。
現在、関西で行なわれているマリメッコ展。
若者から年配の方まで幅広い層でいっぱい。
人気、衰えないですねぇ。
こちらの展覧会では歴史を遡りながら、
これまでの多種多彩なデザインに触れることができます。
何がいいって、作品のタイトルが楽しいです。
WEBサイトではフィンランド語でプロダクト名が掲載されています。
あれ、展覧会じゃなくてもいいじゃん、て話だけど。
日本語で書いてくれてるので、ね。
例えば、
「ずり落ちるソックス」
「魔法の呪文」
「ドクドク(水の音)」
「うそのだましのペテンの」
…などなど。
どれも気になるでしょ?
どんなデザインかは展覧会で。(もしくはネットで)
さて、
展覧会のメイングラフィックにもなっているのは「ウニッコ」柄。
花柄って可愛らしくってあま〜いイメージが漂うのですが、
不思議とマリメッコのデザインには
ただ可愛らしいだけでない、ピリリとしたものを感じます。
もうかれこれ…随分前(何年前か忘れた)
フィンランドのヘルシンキにあるマリメッコに訪れたとき、
その「カッコよさ」に驚いたことを思い出します。
店員さんは皆「ヨカポイカ(すべての少年たちへ)」というシャツを着ていました。
かわいいというより、凛とした…そんな印象です。
ヨカポイカは、マリメッコが初めて作ったユニセックスのシャツで、
このデザインの背景には、
コルセットで締め付けられていた当時の女性たちの体の解放があるそうです。
参照:http://www.marimekko.jp/the-brand/marimekko-story
また、
社会主義層が強かった時代に「学生たちはみんな平等だ」ということを
表現するために着用したという話もあります。
参照:『北欧デザインを知る ムーミンとモダニズム』著/渡部千春
ブランドが長く愛され続けているその奥に、
それぞれの哲学や物語があるのだろうと思います。
当時の考えや想いが蓄積されて、今に至る。
デザインがまとう雰囲気が、選ぶ側にもなんとなく伝わってくるのかも。
技術が発展して色んなものが無くなっていく世の中だからこそ
残っていくものは何だろう、残したいものは何だろう、
そんなことを考えてみる時間があってもよいかもしれません。
そして、カタチに残しておくということも。
考えるだけでは泡のように消えてしまうから。
経験を見えるカタチにして蓄積していくことって
きっと後々、勇気をくれるものに変わってくれそうだから。
と、年の瀬に思う今日この頃です。
マリメッコ展はこちら
http://marimekko-exhibition.jp
展覧会ではデザインの背景にある物語があまり綴られてはいませんでしたが、スケッチブックなど普段は見れないものもありました。
冒頭のポストカードはまた違った印象があったのでお土産に。
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