明石高専「造形」の授業でおこなった「カタチを捉える」というプログラムの、ウォーミングアップです。一筆書きならぬ、一刀斬りで、北海道のカタチをカットしてもらいました。
北海道は、ある調べで「カタチのカッコいい都道府県」の、堂々1位を獲得しています。ちなみに2位が千葉県、3位が青森県、東京都が5位、大阪府は10位です。それはいいとして、ボクも図解で日本地図をフリーハンドで描くことが多いのですが、北海道のカタチがカッコいいので、うまく描きたいな〜と常々思っていました。でも、これが難しいんですよね。カタチは捉えているつもりなんですが、ちょっと変。よく「俳優の誰々に似ていると言われます」という人が、ああ確かに!…でも…う〜む。。。というのとよく似た感じです。
今日は、ほんの5分でできるワークで、「北海道のカタチを、折り紙で一刀斬りする」というお題です。みなさんも、ぜひ挑戦してみてください。
■よく「見る」ことのススメ。
絵のうまい人は、よ〜く対象物を見ています。ものすごく見ているそうです。デッサンは「描く作業」ではなく「見る作業」だとも言われますね。逆に絵の苦手な人は、あまり見ていないんだそうです。
この北海道一刀斬りワークは、よく見ている、見ていないというのが、如実に現れます。
まず北海道の外形の比率を見ます。するとほぼ正方形でおさまるのが分かります。折り紙を使うのは、正方形の外形がうまく「比率をリードしてくれる」というメリットがあるからです。
それで、いきなり切りはじめる前によ〜く見て、おおまかな「カタチ」を頭の中に描いておきます。5分のうち、半分はそれに使った方がいいかもしれません。場合によっては、タテから見たり、横からみたり、逆さまに見たりしたほうがカタチの本質がよく見えることもあります。
おおまかなカタチを頭に描きながら、カットをはじめます。もちろん下書きはしません。ディテール(細かい部分)をよく見て、自分の頭の中の外形ラインと照らし合わせながら、ゆっくりと切っていきます。あ、ダメダメ。あくまでも一刀斬りなので、あとから調整切りするのはナシということで。出来たら、台紙に作品を貼ってください。
■学生の作品から。
学生の作品を見ていると、外形線をざっくり切るタイプと、細部を細かく切るタイプがいることに気付きます。
岬の部分とか、入り江の部分とか、リアス式海岸とか、ポイントポイントをきっちりカットできている人は、よく対象物を見ています。逆に省略している人は、あまり見ていません。作品を見ると、カットしながらどこを見たか、どこを見ていないかが、よく分かります。
あるいはとてもディテールにこだわる人と、外形線をとらえることを軸にする人とにも分かれます。カタチがひずんでいる人は、最初にバランスを考えて全体を見るということを省いたのかもしれません。うまい人は、頭の中の全体像と、ディテールを見るバランスに長けていますね。
どのタイプが上手か下手か、ということを評価するのではなく、ここでは、他の学生の作品と見比べて、自分はどういうタイプなのかということを分析するのが、絵を上達する近道だと思います。
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