なまえをつけて

Kana note

これ、なんてカタチでしょう?
これ、何色でしょう?

世の中には、名前のないものがたくさんあります。
例えば上の写真は、はさみに任せて切り取ったカタチだから、世の中に認識されているカタチではありません。
でも、
名前をつけただけで、存在がうまれる。

どんな名前にしようかな、と考えてみることで、その人の経験や価値観がそこに立ち現れてきて。
いままで“なんでもない”モノが、たちまち輝き出す—
名前って深い…。

「ムーミン谷の仲間たち」という本から、お気に入りの一説を。
はい虫という種類の小さな虫が、あるとき、スナフキンに名前をもらいます。
「ティーティー・ウー」という名前を。(以下、引用)

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「ところがいまは、ぼく、一個の人格なんです。
だから、できごとはすべて、なにかの意味をもつんです。
だって、それはただ起こるんじゃなくて、ぼく、ティーティー・ウーに起こるんですからね。
そして、ティーティー・ウーであるぼくが、それについてあれこれと考えるわけですからね。
—ぼくのいうことが、わかりますか。」

Tove Jansson(1962).DET OSYNLIGA BARNET
(トーベ・ヤンソン 山室静(訳)(2013).ムーミン谷の仲間たち 講談社青い鳥文庫)

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