ブレストは万能か?

Gori note

授業「会議をデザインする」@明石高専

第一回 7月18日(木)9:00〜10:30
第二回 7月25日(木)9:00〜10:30

明石高専建築学科の「インクルーシブ・デザイン」の授業の中で、カプリスの「チームメイド・デザイン」を取り上げていただきました。
多様な人がヒザを交える“会議”の中で、どうすれば一人一人がフランクに発言し、より高度にアイデアを編集できるか。

ポピュラーな「ブレーン・ストーミング」を問い直し、より創造的な「会議」をデザインしてもらう2コマです。

【プログラム】
一日目
(1)チームメイド・デザインとは?
(2)ブレストを問い直す
(3)ブレストを超えた「アイデア会議」をデザインする
二日目
(1)会議の実践(主題:レポートの概念をこえたレポートを作る)
(2)プレゼンテーション

 

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■ブレストはほんとうに万能なのか?

会議のデザインに先がけて、ブレストの問題点を考えてもらいました。
たくさんの意見が出てきましたが、主に次のような意見が多く見られました。

・自由発言といっても、自制してしまう。
・アイデアを拡げっぱなしのブレストも多い。
・目的があいまいだと、内容がうすくなる。
・拡がったアイデアをまとめると、やっぱり予定調和になる。
・やっぱり発言力の強い人に、発想が引っぱられる
…など。

こういったことに対して、ヒト・テーマ(時間)・場・デバイスの4つの視点で改善し、「対話を促進する会議」をデザインしました。

 

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■レジャーシートを使って

こちらのチームは椅子や机を使わず、レジャーシートを敷いて車座になっての会議。
「机」という障壁がない分、アタマを近づけたり、座り方を変えたり、会議に「メリハリ」をつけていました。
あと、一般参加の方もいましたが、上下関係なく、フラットな運営ができていたようです。

 

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■らくがきブレスト

模造紙や付せん紙に「らくがき」を取り入れたチームは、終始なごやかなムードです。
万一議論が止まっても、常に手は動いている。
ともすれば雑談になりやすい雰囲気もありますが、その分、フランクに意見を出しやすい場になっていました。

 

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■“ながら”ブレスト

このチームは、プロトタイプを作りながらの会議です。
目を合わせる必要がない分、変な緊張感はありません。
制作プロセスの共有は、途中で参加者のインスピレーションを刺激し、さらにアイデアを引き出すカタチになります。
同時にゴールが見えているため、意見の取りまとめもしやすい流れになっていました。

 

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■座ったり立ったり

このチームは“変化”がコンセプトのようでした。
初めは、個人のアイデアを出すために「書く会議」。
しばらくは沈黙が続きましたが、時間がくると、“散”から“集”へ、みんなのアイデアを融合する時間。
最後の編集作業にはみんな立ち上がって、ドラマのクライマックスのように盛り上がっていました。

 

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■小ぢんまり一体感

全員の距離感を縮めるため、あえて狭い部屋を選択。
模造紙を壁面につかうことで、小さなテーブルがお菓子で満たされる。
そしてゆったりとしたBGM。
仲よく雑談する雰囲気を大切にしたというとおり、一体感のあるブレストになっていました。

今回のテーマ、というより、絶対的な指令は、「必ず時間内に結果を出す」ということです。
60分という限られた時間の中で、アイデアの拡散→収束→プロトタイプ→記事の編集まで。
そんな厳しい条件の中、学生たちは、それぞれ「レポートの発想を超えたレポート」をデザインしてくれました。

さすが、明石高専の学生!
お見事です!

 

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