小林賢太郎の『本』展

Kana note

パフォーマー?役者?芸人?芸術家?
ジャンル無用の肩書き「天才」でも納得してしまいそうな人、小林賢太郎さんの『本』展。
クスッと笑えるアイデアと、もはや発明やな、っていう遊びに「またやられた…」と思わされる。
一度、その頭の中を覗いてみたい思っていたので、こちらの本展はその欠片が見えた…かな?
副題が〜絵本と漫画と短編小説の、原画と原稿とメイキング資料〜とあって、
創作のルールや手描きのメモ、舞台衣装なんかも。
なんといっても、アトリエの再現には興奮。いいな、いいな。

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「つくり方」を拝見していると、
細やかなんだけどゆるくって、ずっと1人で、あの無表情な感じで、黙々と、でも心の中でニマニマしながら
ずっと1人で、ずっーーーっと作ってる人なんじゃないか、と想像したら、また可笑しくなってしまった。
それにしても膨大な仕事量だと思うけど、作業スピードどうなってんだろ。
手描きの作品もたくさんあるし、手の早さとかさ、もう見えないくらい早いとか。
実際はどうなんだろう、スタッフ山ほどいるのかな。

百文字の作文で、十段十行の原稿用紙にみっちり文章を書くという「百文字文芸」など
意味とは別の違う角度から面白さがやってくる。俳句的な!?発見。
シンプルでキレたアイデアなのに手描きの文字に脱力感があるので、ついやってみたくなるし。
舞台の小道具なんかも温度感あって。
クールだけどあたたかい、少し寂しげな、それがまた可笑しいっていう。

箱根富士屋ホテルの「Dewar’s Room」のプロデュースにもうっとり。
スコッチ・ウイスキーである〈デュワーズ〉のイベントでストーリー体験型のプログラム「D氏を待ちながら」。
ウィスキーのもつ大人のムードにちゃんと笑いが添えてある、粋。
カッコイイを突っ走らないのがカッコイイ。

そう、はじめはYOUTUBEで『 ポツネン氏の奇妙で平凡な日々 』という舞台を見始めて、で、気づいたらどえらい時間経ってて。
(めっちゃ焦る、あれ)
パフォーマーとしての振る舞いの美しさとスマートな美術のクオリティにすっかりファンになってしまった。
1人だからこその“寂しさと可笑しさ”っていうのが、人間愛に溢れていて。
人と人のつながり、とか、リア充とか、ちょっと面倒だなと思ったときに、この人を思い出して安心する(笑)

生の舞台、観たいんだけどな〜ポツネン氏、いつ来ますか?大阪には。

あ、こちらの『本』展のお土産に「全国架空書店ブックカバー」というものがあって
地方ごとに分けられていて、その売れ行きが地方によって違っている様子。
売り切れの地方もあれば、大阪は一番余ってたりして、地方の性格のようなものも出ているんだろうか…余談。
小林みくじは「生大吉」。
願望はもういいってくらい叶うらしい!

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1人のニオイがステキな人だけど(あ、ラーメンズだったわ。こちらもステキ)
パフォーマーであり、マジシャンであり、コメディアンであり、アーティストであり、
舞台つくって、本かいて、漫画かいて、絵本かいて、小道具つくって…
どれだけのこと、やってのけるんだ!?
ほんと、天才。

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