バスキア展@2019

Kana note

カッコイイ!!

もう、これに尽きるんだけど…

初めて彼の絵をみたときから(印刷物だったけど)、すっかり魅了されて、
キレイに描くとか、上手く描くとか、そういうこと「どうでもいいじゃーん」(あくまで勝手な妄想だけど)って
背中をバーンと一発くらうような、私にとっては元気をもらえる絵画だ。
見ると、私も!と、描きたくなってくる。

大きなキャンバスに描かれた“生の絵”からは、猛烈なエネルギーが伝わってきた。
一番驚いたのは、色彩感覚だろうか。
印刷物でしかみたことがなかったので、リアルな色のパワーも素晴らしいけれど、色と色の関係づくりが見事!
これは、天から与えられたセンスってやつですか?それとも緻密な計算ですか?

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多くの作品から、描いては消して、というプロセス(といっていいかわからないけれど)が随所にちりばめられていて
ここにも色のバランスがみてとれるが、どうやら意味も多層でミステリアス。
文字や記号がたくさん使われているのも特徴的で、インプットとアウトプットが画面の上で激しく行われているように感じる。
JAZZのような、連鎖するリズムみたいに。それでいて表情はロック!
私には細かく意味を解読できなかったけど、戦争や科学技術、人種差別などかなり鋭く切り込んでいるらしく
上書きされたり、消されたり、伝えていることは一方方向のメッセージに留まらないらしい。

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『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』というだけあって、日本との関わり深い作品も多く並んでいて
ゴジラや¥といったモチーフが出てきて、なんだか嬉しい。
といっても安易にホメらているわけではないけれど。
描かれた当時はバブル期で日本もイケイケ時代だったのでしょう。
バスキアの絵は子どもの落書きのようにもみえるからこそ、無邪気な側面と、強烈な問いかけが両方みてとれる。
震災を経てみるゴジラも、経済低迷にみる¥も、妙に切なくなったり…する。
AIの台頭やキャッシュレス、所有に対する概念などが変わりつつある今、もしバスキアが生きていたなら何を描くんだろうか。
今だからこそ、バスキアの絵が訴えてくるものがあるように思うと死なないアートの凄みを感じずにはいられない。

バスキアはグラフティ出身ということもあるからか、色んな支持体が使われているのも軽やかにアートと日常をつないでいて、
誰でも触れていいものだと感じさせてくれる。
子どもだって、一緒になって落書きしちゃいそうな。(いや、あかんねんで)
地下道に時々ある、あの死んだような壁画を見ると暗い気持ちになるけど、グラフティが持つ生命力ってなんなだろうな。
未完成のようにも見えるからこそ、生きているのかな。(いや、あかんねんで)

これでもか、ってくらいに絵の持つ力強さを感じさせてくれるバスキアの作品。
学びへの関心とアウトプットへの熱意がそのまま表現されている唯一無二のアーティスト。
やっぱり、憧れずにいられない。

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